再生可能エネルギー発電コスト2020-エクゼクティブサマリー
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2010年から2020年までの10年間、再生可能エネルギーによる発電は、新規投資において価格競争力の面から第一の選択肢となってきました。この間、太陽光発電(集光型太陽熱発電、大規模太陽光発電)及び洋上風力の価格競争力は陸上風力発電と同等まで高まり、その価格は、財政支援を除いても化石燃料発電の新規投資と同様のレベルまで下がってきています。実際、新規投資が求められる場面において、再生可能エネルギーの一部が化石燃料発電に対し価格競争力がついてきたというよりはむしろ、新規の化石燃料発電の価格を大幅に下回りつつあります。
2000年から2020年の間に、世界の再生可能エネルギーによる発電容量は754GWから2799GW、すなわち3. 7倍へと増加しました。これは、着実な技術の進歩、規模の経済、競争力のあるサプライチェーン、開発企業による経験の蓄積などにより、コストが急激に低減したためです。大規模太陽光発電(PV)による発電コストは、2010年から2020年の間に85%減少しています。
その他のハイライトは以下の通りです。
- 2020年、新規に導入された世界の陸上風力発電の均等式発電原価(LCOE: Levelized Cost of Electricity)の加重平均は、2019年比で13%減少、洋上風力発電は9%、大規模太陽光発電(PV)は7%の減少となっています。
- 在过去十年中,可再生能源发电成本大幅下降,原因是技术稳步提高、规模经济、供应链竞争激烈以及开发商体验不断改善。 2010 年至 2020 年间,公用事业规模太阳能光伏 (PV) 的电力成本下降了 85%。
- 太陽光や風力発電による発電コストも非常に低い水準まで減少しており、2010年以降、世界で累積644GWの再生可能エネルギー発電設備が導入されており、その価格は各年の最も安価な化石燃料火力発電設備よりも低コストであったと推測されています。また、新興国では今年、534GWが化石燃料発電より低いコストで導入され、発電コストは最大で320億ドルほど減少する見込みです。
- 太陽光発電や風力発電への新規投資コストは、最も安価で持続可能性の低い既存の石炭火力発電所のコストでさえ下回るケースが増えてきています。IRENAの分析によると、800GWの既存の石炭火力発電所の運転コストは、大規模太陽光発電や陸上風力に比べると系統連系コストの0.005ドル/kWhを含めても、高くなっています。これらの石炭火力発電所を再生可能エネルギー発電に置き換えると、年間のシステム運用コストを320億ドル、CO2排出量を約3ギガトン削減することができます。
IRENAはコスト分析プログラムにおいて、2012年から再生可能エネルギーの発電技術のコストとパフォーマンスについてのデータを収集し、報告しています。本報告書で紹介したコストとパフォーマンスに関するデータソースは主に、IRENA再生可能エネルギー価格データ(the IRENA Renewable Cost Database)とIRENAオークション価格データ(PPA: the IRENA Auctions and Power Purchase Agreement)の二つとなっています。また、今年は初めてビハインド・ザ・メーター(Behind-the-meter (BTM))蓄電池と産業用熱源としての太陽熱テクノロジーに関する IRENA の最新価格データも掲載しています。
本報告書では、全体的なコスト動向とその要因を検討するとともに、コストの構成要素を詳細に分析しています。また、分析対象は、世界中の再生可能エネルギー発電プロジェクト約2万件と、再生可能エネルギーのオークション価格13,000件のデータにまで及んでいます。